講演「腸の慢性炎症」


講演「腸の慢性炎症」in 健幸フォーラム〔株式会社 本物研究所主宰〕

 211日(土)に東京・秋葉原駅前のUDXビルで、(株)本物研究所主催の「健幸フォーラム」が開催され、11時半から1時間10分「腸の慢性炎症」と題して講演しました。会場はほぼ満席で、120名位いたでしょうか。

 近年、腸への関心が高まってはいますが、腸内フローラ(腸内細菌)に関するものが多く、まだ「腸管免疫」や「リーキーガット」に関する知識はほとんど知られていないのが現状です。そこで、腸管免疫やリーキーガットに関する基礎知識を説明しました。

  

 まず、「腰痛の原因は何でしょう?」と質問してみました。すると大半の方が、「骨盤の歪み」に手を挙げられました。しかし、正解は「老化」です。

 腰痛の根本原因は、老化によって背骨や椎間板や軟骨や筋肉や血管などが硬化することにあるのです。老化とは、弾力性が失われることなのです。

椎間板ヘルニアは、椎間板の弾力性が失われた結果、椎間板が飛び出したのです。

脊柱管狭窄症も、背椎骨の弾力性が失われた結果、椎骨が変形したのです。

脚のしびれも、脚の血管の弾力性が失われた結果、脚の血流が悪くなったのです。

 そして、弾力性を失わせる最大原因は、老化物質のAGEs(終末糖化産物)です。

 

 AGEsを減らすには、「腸の慢性炎症をできるだけ抑える」ことが大事です。

 腸の慢性炎症は、主に「リーキーガット」から生じます。リーキーは「漏れやすい」、ガットは「消化管」の意味で、腸壁バリアが破壊された状態です。

リーキーガットになると、未消化のタンパク質や細菌が血液中に侵入してくるため、腸の免疫が異物を排除するために炎症がおきるのです。

この炎症は、通常の炎症と違って無症状ですが、血液中に炎症性物質を増やし、全身の老化を促して、アレルギー性疾患・肥満・糖尿病・ガンなどといった生活習慣病を引きおこすのです。

 

 このような話の流れから、「リーキーガットの主な原因」を紹介しました。

 リーキーガットの原因となる食品は、今まで身体に良いと信じられてきた食品が多いため、多くの方が驚いた表情をされていました。

 続いて、「遅発型フードアレルギーの検査例」をいくつかお見せしました。

 「IgE抗体検査では陰性なのに、IgG抗体を調べたら陽性だった」というアトピー性皮膚炎の患者が、フードアレルギーの原因食品を除いたら治った例を紹介しました。

 また、頭痛やめまい、猛烈な眠気やだるさ、生理痛やPMS、多量経血などといったアレルギーとは関係ないと思われている症状でも、IgG抗体検査をしたことでフードアレルギーの原因食品がいくつもあることがわかり、それらの食品を除去することで多くの症状が短期間で激減したという例を紹介しました。

 最後に、拙著『アレルギーは皮膚と腸のバリアを強化すれば治る!』を購入されて、IgG抗体検査をして判明した原因食品を食べないようにしただけで、子供の頃から何十年も治らなかった数多くの心身症状が改善されたお客様からいただいた「お礼の手紙」をご紹介しました。

 

 講演会にご参加いただいた方々にとって、こうした話題に対する関心は非常に高いものだったようで、講演終了後の昼休みには質問攻めにあって、なかなか食事に行けないほどでした。また、当日準備した拙著『アレルギーは皮膚と腸のバリアを強化すれば治る!』も完売するほどでした。

 この日の話が、アレルギーや体調不良で悩んでいる方々の救いになれば光栄です。